今から1933年前、火山の噴火によって死んだ人間の ”形”

nrc3ZP9SnCR9o0I
イタリアの世界遺産「ポンペイ」に残されているものがある。今から1933年前、火山の噴火によって死んだ数多くの人間の ”形” である。[12]images

- イタリアの世界遺産「ポンペイ」
 ポンペイはイタリア・ナポリ近郊にかつて存在した古代都市。79年のヴェスヴィオ火山噴火による火砕流によって地中に埋もれたことで知られ、その遺跡はユネスコの世界遺産に指定されている。

- 79年のヴェスヴィオ火山噴火
 62年2月5日、ポンペイを襲った激しい地震によりポンペイや他のカンパニア諸都市は大きな被害を受けた。町はすぐに以前より立派に再建されたが、その再建作業も完全には終わらない79年8月24日にヴェスヴィオ火山が大噴火し、一昼夜に渡って火山灰が降り続けた。
 翌25日の噴火末期に火砕流(高温の火山砕屑物と火山ガスが混合して流動化したもの)が発生し、ポンペイ市は一瞬にして完全に地中に埋まった。
-Застывшие на века под потоком лавы-


Frozen for centuries under a stream of lava. 12pics

 79年の爆発のときに発生した火砕流の速度は時速 100 km 以上であり市民は到底逃げることはできず、一瞬のうちに全員が生き埋めになった。
 後に発掘されたときには遺体部分だけが腐ってなくなり、火山灰の中に空洞ができていた。考古学者たちはここに石膏を流し込み、逃げまどうポンペイ市民が死んだときの形を再現した。顔までは再現できなかったが、恐怖の表情がはっきり分かるものもある。

lava-0002

lava-0003

lava-0004

lava-0009

 母親が子供を覆い隠し、襲い来る火砕流から子供だけでも守ろうとした様子も、飼われていた犬がもだえ苦しむ様子も生々しく再現された。この様子は火砕流が一瞬にしてポンペイ市を埋め尽くしたことを示している。

lava-0007

lava-0006

lava-0005

lava-0008

lava-0010

lava-0011

 町は、1世紀の古代ローマ人たちの生きた生活の様子をそのまま伝える。焼いたままのパンや、テーブルに並べられたままの当時の食事と食器、コイン、クリーニング屋のような職業、貿易会社の存在、壁の落書き(ラテン語)、保存状態のよいフレスコ画。当時のポンペイはとても活気のある都市だったのであろう。

800px-Pompei_Forum

ポンペイのフォルム(画像)-Wikipedia-より